投稿者「nichibun」のアーカイブ

2020.09.30山縣勇三郎書簡の紹介

山縣勇三郎書簡

資料形態:原資料デジタル化

所蔵者名:山縣茂徳

監修:根川幸男

翻刻:入山洋子

主な内容:ブラジル在住の実業家・山縣勇三郎が、1918年6月に日本に一時帰国後、翌1919年11月にブラジルに再渡航する際、香港・シンガポールなど寄港地から長男・操らに発信された書簡。書簡は全部で15通あり、最後の1通のみは、木本茂吉に宛てた書簡。墨書やペン書きで、1通につき2~4枚の便箋や原稿用紙で構成されている。

資料入手の経緯:2019年2月9日、長崎県平戸市にて、人間文化研究機構ネットワーク型基幹研究プロジェクト「日本関連在外資料調査研究・活用事業」国際シンポジウム「国際海洋都市平戸と異文化へのあこがれ―在外資料が変える日本研究―」(主催:プロジェクト間連携による研究成果活用)が開催された。その際、所蔵者とその家族が来訪し、本資料の存在を知るに及び、その調査を開始した。その後、所蔵者より本資料を貸与され、デジタル化と翻刻を進めた。

凡例

翻刻にあたり、読みやすさを考慮して次のような措置を施した。

一、句読点・並列点を適宜付した。

一、改行は原本通りとした。

一、漢字は原則として旧字体を現行の字体に改めた。ただし固有名詞はその限りではない。

一、仮名遣いは、適宜濁点を付し、合字・変体仮名を現行の字体に改め、助字の「而」「者」「之」を仮名に改めた。踊り字は原本通り記載した。

一、難読漢字や漢文調の語句に適宜ルビをつけた。ただし便宜上の措置であり、他の読み方を否定するものではない。

一、原本にルビが振ってある場合はその下に〔原〕と記した。

一、誤字・誤用については、正しい文字を〔 〕内に記すか、〔ママ〕と記して傍注した。

一、判読不明箇所は字数分を□で示し、推測しうる文字を〔 ヵ〕と傍注した。

一、書き損じで抹消された部分は記載しなかった。 【謝辞】本資料の公開に当たって、本書簡と関係資料を快く貸与いただき、記述の中で不明な点についてご教示いただいた山縣茂徳氏・飯田淑子氏(山縣勇三郎孫)

山縣勇三郎書簡01(山縣操宛、1919年11月23日香港発信)原文と解読文

2020.09.30 山縣勇三郎について

 本書簡の書き手である山縣勇三郎は、1860(万延元)年2月、肥前平戸藩の勘定奉行の家系、中村弥八郎・トモの四男として生れた。1872年、13歳の時に同藩士・山縣沈雄の養子となる。
 1879年に上京し、陸軍士官学校を受験するも失敗。1881年に北海道に渡り、古物商、ニシン漁場経営、海産物商をはじめ、鉱山経営や海運業に事業を拡大し巨利を博した。1894年に始まった日清戦争に感発され、事業を弟たちに任せ、「蒙古探検」のため従者2人とともに出発したが、朝鮮・平壌で病に倒れて帰国を余儀なくされたという。ここには明治人らしい立身出世と海外雄飛への志が見て取れる。1889年には、弟・精七郎をアメリカ留学に送り出している。
 1908年3月、シベリア鉄道経由でブラジルを目指し、ロンドン経由で、5月18日にリオデジャネイロに到着。日本最初のブラジル集団移民を運ぶ笠戸丸がサントスに到着する1ヶ月前であった。その後、リオデジャネイロ州マカエ郡におけるカショエイラ農場経営(米作、甘蔗栽培、アルコール醸造業を含む)、同州カーボフリオ郡サンペドロの塩田の購入と経営、漁業・海運業への進出。1920年にブラジル最初の水産学校「フレデリコ・ビラール水産学校」(Escola Industrial de Pesca Frederico Villar)を設立する。
 ブラジル在住日本人数万人、そのほとんどがサンパウロ州のコーヒー農場の契約労働者であった時期に、日本人移住者の主流と異なり、リオデジャネイロ州を基盤にこれらの事業を展開したことは、ブラジル日本人移民の多様性という観点から注目に値する。カショエイラ農場には、星名謙一郎、三浦鑿、金子保三郎、安田良一、石橋恒四郎、坂元靖など、ブラジル入国初期にこの農場に足をとどめたのち各地に雄飛し日系社会の指導者に成長していった人びとが足をとどめている。
 1924年2月25日、カショエイラ農場にて死去。

山縣勇三郎(1860~1924)

参考文献

根川幸男(2020. 3)「平戸から新世界へ―山縣勇三郎のブラジル雄飛」稲賀繁美編『異文化へのあこがれ―国際都市平戸とマカオを舞台に―在外資料が変える日本研究/Yearning for Foreign Cultures An International Symposium in Hirado and A Panel in Macau New Aspects of Japanese Studies based on Overseas Documents』、人間文化研究機構ネットワーク型基幹研究プロジェクト、pp.49-62.

2020. 09. 23 山縣勇三郎書簡の調査・研究

山縣勇三郎書簡の調査・研究
 本調査・研究は、人間文化研究機構ネットワーク型基幹研究プロジェクト「日本関連在外資料調査研究・活用事業」の「基本計画」にもとづくものである。すなわち、本「基本計画」は、2018年度を以て終了した「ハーグ国立文書館所蔵平戸オランダ商館文書調査研究・活用」(国際日本文化研究センター)の成果を受け継ぎ、また、2018年度に長崎県平戸市で開催した国際シンポジウム「国際海洋都市平戸と異文化へのあこがれ―在外資料が変える日本研究―」の成果をふまえ、「プロジェクト間連携による研究成果活用」(以下「研究成果活用班」)が、平戸市ほかの機関との連携を基礎として、あらたな調査研究・活用事業を展開するという目標を掲げる。研究成果活用班では、こうした目標にもとづき、新たに入手した、ブラジル・リオデジャネイロ州において活躍した平戸出身の国際的実業家・山縣勇三郎(1860~1924)の自筆書簡について調査・研究するものである。

  同書簡の研究成果については順次公開していく。


山縣勇三郎書簡01封筒表書き(山縣操宛、1919年11月23日香港発信)

2020.04.02 平戸シンポ&ICLAパネル報告書『異文化へのあこがれ』が発行されました

日本関連在外資料調査研究・活用事業「プロジェクト間連携による研究成果活用」(代表:稲賀繁美、国際日本文化研究センター教授)は、この度『異文化へのあこがれ―国際都市平戸とマカオを舞台に―在外資料が変える日本研究/Yearning for Foreign Cultures An International Symposium in Hirado and A Panel in Macau New Aspects of Japanese Studies based on Overseas Documents』を発行いたしました。

本報告書は、「プロジェクト間連携による研究成果活用」に関連する業績を、2019年度終了時点での、前半期3年の成果報告の一環としてまとめた論集であり、これは2019年度の事業報告の一部をなすものとなっています。

前半の第1部は、2019年2月9日に、長崎県平戸市の平戸オランダ商館において、在外各プロジェクトとの連携のもとに、平戸市、(公財)松浦史料博物館、平戸オランダ商館との共催というかたちで実施された国際シンポジウム「国際海洋都市平戸と異文化へのあこがれ―在外資料が変える日本研究―」での講演および発表論文を中心に構成されています。

また、後半の第2部は、2019年7月31日にマカオ大学で開催された国際比較文学会ICLA: International Comparative Literature Associationの世界大会において、提案のうえ採択されたパネル“Maritime Vessel and Road as a Socialization Vehicle En-route: Transnational Encounter and Experience”での英文発表論文を再録いたしました。

これらはともに、本プロジェクトの成果の社会還元・国際的な成果発信および一般市民を含む社会との学術交流の一環として位置づけられます。こうした成果を資源として、今後もいっそう研究とその成果の発信や社会還元に努めてまいりたいと存じます。

最後に、本報告書に関連する企画にご賛同・ご協力をいただいた各方面の機関、特に平戸市やマカオ大学の皆さんにあらためて御礼を申し上げます。

2020.03.04 『日本を集める―シーボルトが紹介した遠い東の国』が発行されました

日本関連在外資料調査研究・活用事業「ヨーロッパにおける19世紀日本関連在外資料調査研究・活用」(代表:日高薫、国立歴史民俗博物館教授)は、この度『日本を集める―シーボルトが紹介した遠い東の国』を発行いたしました。

同プロジェクトでは、ドイツ・ミュンヘンの五大陸博物館所蔵のシーボルト二回目の日本滞在からのコレクションについて、2011年から2016年まで連携して調査研究を行ってきました。その成果は、収集品のデータベースの公開や「シーボルト博物館」の展示構成を再現した展覧会、5回のシンポジウムの開催という形で公開されました。

特に、2016年から2017年にかけて、佐倉、東京、名古屋、長崎、及び大阪の各博物館において、「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」を開催いたしました。この度、五大陸博物館において、それらを「Collecting Japan. Philipp Franz von Siebolds Vision vom Fernen Osten(日本を集める―シーボルトが紹介した遠い東の国)」(The Museum Fünf Kontinente, München, 2019年10月11日~2020年4月26日)というハンドブックにまとめ紹介いたしました。本冊子は、その一部を国立歴史民俗博物館において日本語訳したものです。

2019.12.24 「日本関係欧文史料の世界」と相互リンクのお知らせ

この度、「日本関係欧文史料の世界」ウェブサイトと相互リンクを貼っていただきました。

日本関係欧文史料の世界

「日本関係欧文史料の世界」では、開国以前に成立した日本関連の図書、地図、文書を扱っています。ネットワーク型基幹研究プロジェクト日本関連在外資料調査研究・活用「ハーグ国立文書館所蔵平戸オランダ商館文書の調査研究・活用」(平戸班)の成果も紹介されています。

同ウェブサイトのトップにあるように、ポルトガル人が1540年代に日本に到着してからペリーが1853年に渡来するまでの間に、様々な西洋人が日本を訪れ、日本についての著述を残してきました。それらは、書簡など文書のままに留まっているものもあれば、西洋において図書として出版され、流布したものもあります。また、日本の地理的情報も西洋で作成された地図の形で普及しました。

国際日本文化研究センター(日文研)では、それらのうち、出版された図書や地図を収集してきており、現在およそ400点を所蔵しています。また、オランダのハーグ国立文書館に保管されている、江戸初期の平戸にあったオランダ商館文書の画像データも備わっています。このウェブサイトでは、これらの図書、地図、文書について様々な視点から解説をしています。

日本関係欧文史料に関する学術情報やオンライン講義、図書や古地図についての読み物も豊富に掲載されており、楽しくかつシステマティックに学ぶことができます。

2019.11.14 マレガ・プロジェクト国際シンポ「マレガ収集日本資料の発見と豊後キリシタン研究の新成果」が開催されました

マレガ・プロジェクト国際シンポジウム「マレガ収集日本資料の発見と豊後キリシタン研究の新成果」が、2019年10月26日(土)に開催されました。大分県教育委員会と共同開催で、会場の大分県豊の国情報ライブラリー2階視聴覚ホールには、関係者、市民ら約250人が集まりました。

写真1:プロジェクト代表者の国文学研究資料館・大友一雄教授からの「趣旨説明」

シンポジウムは大きく二部構成とされ、第1部では、バチカン図書館から、チェーザレ・パシーニ館長とアンヘラ・ヌーニェス=ガイタン資料修復室長を迎え、国文学研究資料館のロバート・キャンベル館長とともに、マリオ・マレガ神父収集の日本関係資料と国際交流について意見が交わされました。パシーニ館長からは、「今回の資料発見が江戸時代の豊後と日本の実態についてより正確な知識を得るのに役立つと期待している。新しい文化交流の架け橋として未来の平和につなげていければ」というお話があり、本プロジェクトを核とした国際交流の可能性についての期待が寄せられました。

また、第2部では、大分県立豊後高田高等学校の佐藤晃洋教諭による「禁教初期における臼杵藩のキリシタン対策」、国文学研究資料館の三野行徳研究員による「臼杵藩宗門奉行と類族制度」という、同神父収集のキリシタン関係文書の魅力と新発見について最新の研究にもとづく報告がありました。これらの報告の後、3人の論者によるコメント、6人の登壇者全員による総括討論が行われました。

写真2:当日の会場の様子

討論の締めくくりとして、討論者から、「間もなく1万4000点余りの史料がインターネットで公開される。膨大な量の資料が揃うことによって、統計的な分析を通じた全体像的なものが見えてくるはず」と、研究進展に関する大きな期待が語られました。また、プロジェクト代表者の国文学研究資料館・大友一雄教授からは、「マレガ文書には、江戸時代の同時代史料だけでなく、マレガ神父の書いた貴重なイタリア語資料もあり、両方が揃ったところに同文書の価値がある。今後それら二つの資料群に立脚した研究が必要であり、それは国際的な共同プロジェクトとして遂行されるのが必然である」というプロジェクトの今後の課題について展望が示されました。

写真3:白熱する討論の様子

なお、シンポジウム当日のプログラムは次の通り。

プログラム
13:00 挨 拶 広瀬勝貞(大分県知事)
13:10 開催趣旨 大友一雄(人間文化研究機構国文学研究資料館)

<第1部> マリオ・マレガ収集日本資料と国際交流
13:20 チェーザレ パシーニ(バチカン図書館長)
「バチカン図書館所蔵のマレガ資料:過去から未来へ人々の間に架け橋を築く」
13:40 アンヘラ・ヌーニェス=ガイタン(バチカン図書館資料修復部門長)
「バチカン図書館におけるマレガ・プロジェクト-相互理解と協業の体験」
14:00 ロバート キャンベル(人間文化研究機構国文学研究資料館長)
「マリオ・マレガ神父と日本資料コレクション」
司会進行:シルヴィオ・ヴィータ(京都外国語大学)

<第2部> マレガ収集キリシタン関係文書の魅力と新発見
15:00 佐藤晃洋(大分県立豊後高田高等学校)
「禁教初期における臼杵藩のキリシタン対策」
15:25 三野行徳(人間文化研究機構国文学研究資料館)
「臼杵藩宗門奉行と類族制度」
15:50~16:45 コメントとディスカッション
司会進行:大橋幸泰(早稲田大学)

コメンテーター:
平井義人(日出町歴史資料)
大津祐司(大分県先哲史料館)
大友一雄(人間文化研究機構国文学研究資料館)
全体進行:松井洋子(東京大学史料編纂所)

2019. 8. 22 第36回人文機構シンポジウム開催のお知らせ

第36回人文機構シンポジウム

「海外で《日本》を展示すること-KIZUNA展からその意義を探る-」

日時:2019年10月5日(土)13:30~16:40
会場:東京大学本郷地区キャンパス法文2号館2階 一番大教室(東京都文京区本郷7-3-1)
都営地下鉄 大江戸線本郷三丁目駅から徒歩11分、東京メトロ 丸ノ内線本郷三丁目駅から徒歩13分、東京メトロ 南北線から東大前駅徒歩10分

主催:大学共同利用機関法人 人間文化研究機構

協力:ウェールズ国立博物館
後援:英国ウェールズ政府、外務省、文部科学省、国際交流基金
参加無料、手話通訳有、要事前申込(定員200名)

趣旨:
人間文化研究機構(人文機構)では、国立歴史民俗博物館を中心とする研究組織により、10年ほど前から大規模な在外資料調査研究プロジェクトを推進し、新たな歴史資料の発掘とデータベース公開を基礎に、国内巡回展示やシンポジウム公開など様々な方法で成果を発信してきました。さらに、日本研究や日本文化理解を活性化させるために、海外の状況やニーズに応じた新たな日本文化発信の方法を模索する試みを実践しています。本シンポジウムは、このような活動の一環として昨年の夏、イギリス・ウェールズで開催した。国際連携展示「KIZUNA : Japan | Wales | Design」展(主催:ウェールズ国立博物館、国立歴史民俗博物館、文化庁)の実践例を中心に、博物館展示を通じた日本紹介の意義や課題について議論を深める機会とします。グローバル時代の新たな日本文化発信の展望について、国内の研究者や市民の皆さまと共有することを目的とします。

プログラム:
13:30 開会の辞
開会の挨拶 : 平川 南(人間文化研究機構 機構長)
13:35  趣旨説明 日高 薫(国立歴史民俗博物館 教授)
13:45  特別講演 デイビッド・アンダーソン(ウェールズ国立博物館 館長)
「 イギリスにおける日本展示の実態と展望」※逐次通訳付き
15:00 休憩(10分)
15:10  報告1 三木 美裕(国立歴史民俗博物館 客員教授)
「 ウェールズ国立博物館、KIZUNA展開催までの道のり」
15:35  報告2 荒川 正明(学習院大学 教授)
「日本のやきものを飾る―海外美術館における展示事情」
16:00 休憩(10分)
16:10 質疑・総合討論 司会 : 大久保 純一(国立歴史民俗博物館 教授)
16:40 閉会の辞

申込方法:
以下の人間文化研究機構の受付フォームにてお申し込みください。

https://www.nihu.jp/ja/event/symposium/36

第36回人文機構シンポジウム 「海外で《日本》を展示すること-KIZUNA展からその意義を探る-」フライヤー

https://www.nihu.jp/sites/default/files/inline-files/syomo36.pdf

2019. 8. 22 第22回国際比較文学大会(XXII ICLA)においてパネル実施

2019(令和元)年7月29日(月)~8月2日(金)、マカオ大学において、第22回国際比較文学大会(XXII Congress of The ICLA Macau SAR, China)が開催されました。 本大会に主導機関代表者である稲賀繁美、研究成果活用班班員の根川幸男が参加し、在外プロジェクト関連テーマで報告を行いました。

写真1:第22回国際比較文学大会(XXII Congress of The ICLA Macau)の会場となったマカオ大学。古きポルトガルの雰囲気を漂わせる旧市街から離れた郊外に広大なキャンパスが拡がっている。
写真2:大会初日のレセプションの様子。

本大会の三日目、7月31日(水)、分科会9“Global Humanities form an Eastern Perspective”(9:30~12:45)において、パネル“Marine Vessel and Road as a Socializing Vehicle Enroute Experiences, Transnational Encounters and Exchanges”(パネル代表者・司会・趣旨説明:橋本順光、大阪大学大学院文学研究科・准教授)を開催いたしました。

写真3:橋本順光准教授(パネル代表者・大阪大学大学院文学研究科)の開催趣旨説明。

本パネルにおいて、主導機関代表者である稲賀繁美、研究成果活用班班員の根川幸男が在外プロジェクト関連テーマで報告を行いました。

稲賀繁美・根川幸男報告要旨

“Under the Shadow of Apartheid: Maritime Road of Transnational Communication”

INAGA, Shigemi

International Research Center for Japanese Studies, Professor

This study uncovers an unexpected encounter between Africa and Japan, with the background of racial discrimination in Cape Town. William Plomer (1903-1973) and Laurens Van der Post (1906-1996) came to Japan in 1929 via maritime route, crossing the Arabic and Indian Ocean under the command of Captain Mori Katsue (1890-1989) of the Osaka Commercial Line. Not only the way they encountered Mori in Durban, under the heavy burden of Apartheid, but also their stay and experience in Pre-War Japan are rich in relevant anecdotes in cross cultural mutual understanding between Africa and East Asia. To this two mabns topics of interest in comparative literary studies, the paper also adds two others factors. One is the experience of the ship navigation crossing the Oceans. The other is the byproduct of their discovery. While William Plomer took interest in Japanese mediaeval theater Noh and collaborated with Benjamin Brittten (1913-1976), Van der Post’s learning of the Japanese language and his familiarity with the mentality helped him survive in the camp of the Prisoners of War in Java. By referring mainly to Yet Being Someone Other (1982), the paper will investigate into the significance of transnational navigation touching upon the maritime imagination.

写真4:稲賀繁美教授の報告。

 

“Crossing “Manchukuo” and Brazil: Immigration Ships as Contact zones”

NEGAWA, Sachio

Research Center for Japanese Studies, Research Fellow

This study examines the exchange between Brazil and “Manchukuo”, the puppet monarchy or a Japanese version of the British Commonwealth. It regards immigration ships as “contact zones” in the global networking of the countries and regions, where not only people but also goods and commodities of all kinds were crossing over. The paper particularly focus on the exchanges of animals and plants based on the triangular relationships among Japan, Manchuria and Brazil. Japanese immigration ships to Brazil played there a vital role. Around 1940, samples of typical flora and fauna, such as Japanese cherry, Manchurian animals, have become privileged gifts to be exchanged with Brazilian orchids. Based on the newly rediscovered source materials mainly published in Japanese, the present study reveals the hidden realities of the gift-diplomacy which continued up until the outbreak of the Pacific War. How the migration ship served for? What was the political background and the historical meaning of the migration policy? The paper tries to reply to such question in terms of the relationship between the Imperial Japan and the Brazilian state.

写真5:根川幸男機関研究員の報告。

写真6:パネル会場と聴衆。

今回の報告は、研究成果活用班の「日本研究における国内学界と国外学界との相互交渉を推進し、従来の学界の枠組みを超えたネットワークの創出を目指し、「新領域創出」への基盤構築に資する」という目的と昨年度の平戸国際シンポジウムで課題となった、在外資料を通じた国際港湾都市と人・海域・海洋との関係史というテーマの延長線上に位置づけられるものです。

今回のパネルの成果を、在外プロジェクトの今後の活動の展開につなげてまいりたいと思います。

ご来場の皆様、ご清聴、ご意見ありがとうございました!

多謝大家的聆聽!!

2019.07.23 トップページと概要改訂のお知らせ

プロジェクト間連携による研究成果活用(研究成果活用班)では、本公式ホームページのトップページと概要を改訂いたしました。日本関係在外資料調査研究・活用事業のプロジェクトの一つ「ハーグ国立文書館所蔵平戸オランダ商館文書調査研究・活用」(国際日本文化研究センター)が平成 30 年度を以て終了し、「3プロジェクト+1」の新体制移行にともなう改訂です。また、トップページから人間文化研究機構ホームページ内の日本関係在外資料調査研究・活用事業の英語による紹介ページにリンクいたしました。研究成果活用班では、平成 30 年度に平戸で開催した国際シンポジウムの成果を継承し、平成 31 年度以降、平戸市ほかの機関との連携を基礎として、あらたな調査研究・活用事業を展開してまいります。